ファーマセンター【2015年最新版】

ファーマセンターとは

ファーマセンターは薬剤師協会が運営する薬剤師の無料職業紹介ところであり、わかりやすく言うと薬剤師専用のハローワークのようなものです。

ファーマセンターは都道府県知事の指定を受けて運営しているものであり、47都道府県すべてに最低でも1カ所のファーマセンターが配置されています。

1.ファーマセンターの事業は大きく3つからなります。

①ファーマバンク事業

ファーマセンターの中核となる事業であり、薬剤師への職業紹介機能を中心としています。

②訪問薬剤師支援事業

ファーマセンターの高度高齢化社会に向けた活動部分であり、訪問薬剤師の養成講習会やe-ラーニングなどを行っています。

③「薬剤師の心」普及事業

ファーマセンターでは5月12日の「薬剤師の日」に合わせ、全国で講習会やイベントを行い「薬剤師の心」を広める活動を行っています。

2.ファーマセンターのインターネット機能

ファーマセンターはインターネット上にe‐ファーマセンターという求人・求職システムを持っており、2015年4月にシステムが新しくなりました。

新しいe‐ファーマセンターはスマートフォンに対応しており、求人提供機能が強化されており、e‐ファーマセンターに登録した内容をベースに自動マッチング機能で毎週登録者に合った求人情報をメール配信します。また、e‐ファーマセンター上での応募も可能となっています。

3.ファーマセンターへの登録が努力義務に

ファーマセンターへの登録が平成26年6月18日に成立した「医療介護総合確保促進法」努力義務となりました。

本制度では、

①病院などを離職した場合や免許取得後に直ちに就業しない場合には、都道府県ファーマセンターに必要事項を届けるよう努めなければならない。

②届け出た次項に変更が生じた場合は、その旨を届けるよう努めなければならない。

③施行以前に離職している薬剤師などについても、速やかに同様の届け出をするよう努めなければならない。

となっています。

4.ファーマセンターがわかりにくい原因

ファーマセンターは各都道府県に設置されており、民間の転職会社が持つ拠点数と比べてはるかに多くの拠点があるにもかかわらず、ファーマセンターがなんであるかを知らない薬剤師が非常に多く存在し、そこには4つの大きな理由があるとされています。

①ハローワークにも薬剤師の求人が出ているため、公的機関による求人紹介はハローワークしかないという固定観念。

②ファーマセンターという名称から、何をしているところなのかが直感的に理解できない。これは、例えば「NPO 薬剤師協会求人紹介センター」というような名称であれば、わかりやすいと言ったところでしょう。

③「薬剤師 求人」といったキーワードでのGoogleやYahooでの検索順位が低いため、求職薬剤師の目につきにくい。

④ファーマセンターあるいはファーマバンクと似た名称の民間転職会社が存在するため、民間転職会社と混同されてしまう。

どれも本質的なものではないのですが、ファーマセンターが本来の機能についての認知度を上げるためには何らかの対策が必要と思われます。この点については、日本薬剤師協会から厚生労働省に出されている報告書でも年度も言及されており、その一つの形として、ファーマセンターへの登録の義務化という提案がなされてきました。

5.ファーマセンターと民間転職会社の根本的な違い

ファーマセンターと民間転職会社には、その思想と目的に根本的な違いがあります。ファーマセンターは、薬剤師不足解消に向けた医療従事者の確保が目的です。このため潜在薬剤師や離職者の復職を含めた薬剤師の確保、転職希望者の円滑な入職により薬剤師の停滞を防ぐものです。つまり、医療全体における従事者の不足を解消するという社会的に大きな視点で動いています。つまり、社会的に薬剤師不足が解消された姿がゴールの一つになります。数字的には、2025年には200万人の薬剤師が必要であり、50万人が足りていないと見ています。これらのことは、平成26年3月に日本薬剤師協会から厚生労働省に提出した平成25年度薬剤師職の職業紹介等の実態に関する報告書に記載されています。

一方、民間の転職会社は、あくまで看護師個人の転職希望として求職案件を紹介し、看護師を入職に導くものであり、その看護師の入職が完了することがひとつのゴールになります。その反面、看護師不足が解消されてしまうと存在価値が無くなってしまう面があります。

また両者の大きな違いとして、ファーマセンターは薬剤師の転職によって収益を得ることはありませんが、民間の転職会社は転職の成約により、求人元から得られる紹介料を収益としています。

このようにファーマセンターと民間の転職会社では、その指導、目的、収益構造が根本的に異なったものとなっています。

まとめ

ファーマセンターは深刻化する薬剤師不足の解消を目的に薬剤師協会が各都道府県知事の指定を受けて、全国47都道府県に設置しているものであり、ネット上ではe-ファーマセンターが稼働してます。ファーマセンターは薬剤師不足の解消という社会的観点から活動しており、薬剤師の転職からは収益を得ていません。これに対し、民間の転職会社は薬剤師の個人ニーズに対応しているものであり、転職の成約により求人元から得られる紹介料で収益が成り立っています。このようにファーマセンターと民間の転職会社では、求人案件の紹介という表面的なところは似ているものの、根本的な部分で大きな違いがあるものです。