派遣とパートは根本的に違う
正社員でないカテゴリとして、派遣とパートは一緒に扱われがちだが、その働き方は根本的に違う。また派遣は正規社員同様、働き盛りの年齢層であるのに対して、パートは年齢が上の層になっている。ここでは派遣とパートを比較し、その根本的な違いについて述べる。
パートはお金だけが目的
パートは、PartTimerと呼ばれるように、ある区切った時間のみ働く就労形態である。このため、一般的に高いスキルは要求されず、決められたことを定型的にこなす業務で使われることが多い。パートの場合、収入は時給制がほとんどであり、時は金なり、で給料を稼いでいる。これは働く側にとっては空き時間の有効活用であり、雇用者側としてはピーク時の補強であるため、どちらも高レベルな内容を求めていないためニーズが一致している。また、あくまで働く側の空き時間が主体となるため、経営者よりも労働者の方が発言力を持っており、無理な話は問答無用で拒否されてしまうため、扱いづらい面もある。
派遣は仕事重視
派遣の場合、社員と同等、もしくはそれ以上の能力を求められる。今もっとも派遣で多いのはIT技術者だと言われており、月給100万円でも技術者が集まらないというニュースが大きな話題を呼んだ。アメリカと比較して、情報系の大卒者が日本では1/3しかいないことが原因であり、企業のIT技術者不足は慢性化している。一方派遣社員側は、スキルがあれば高収入が得られ、正社員と違い、会社に縛られることも無いため、自分の能力向上に余念がない。パートと違い、仕事での扱いは:正規社員と同等であるため、社会的にもまっとうにに働いていることが認知されている。日本においては年功序列は完全に崩れ去り、また終身雇用制も常識ではなくなりつつある。企業が求めるのは、何をやってきたか、ではなく、これから何ができるかであり、この点においてスキルを高めることに重点を置いている派遣は強いと言える。ただし、派遣が楽かというとそうとも言えない。派遣会社の過当競争は激化する一方であり、どれだけ良い人材を提供できるかに生き残りがかかっている。このため派遣各社は社員の教育に余念が無く、ビジネスマナーは正社員より厳しくたたき込まれている。さらには、職場での労働状況を日報形式で報告させる事務所も多く、日報と相手先の二つの評価がつけられるため、正社員のように勤務中に気楽に過ごせる時間が少ない。ここで台頭してきたのがフリーランスという働き方だ。どこにも所属せず、腕一本で仕事をこなす技術職だ。すべて請負で仕事を行うため、自分の働きたいペースで仕事ができるものの、仕事を取るために営業もやらねばならない。派遣と比較するとかなり負担は重いが、中間マージンを取られないめ収入も高く、時間の自由度が高いという利点を有する。今後はフリーランスへの移行が進むのかもしれない。
<参考>日本薬剤師協会
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