薬剤師がドーピングを防止している実態と日本薬剤師協会の広報活動
考えてみれば当たり前の話しだが、世間で騒がれているドーピングを発見しているのは薬剤師である。ドーピングが大きな話題となったのは陸上選手であったベン・ジョンソンがメダルをはく奪されたことだろう。このように世界的に大きな話題の中で薬剤師が大きな役割を果たしている実態と、日本薬剤師協会による広報活動について解説する。
1.日本薬剤師協会が発刊しているドーピング防止ガイドブック
ドーピングに当てはまるのは処方箋によって薬剤師が販売する医薬用医薬品だけでなく、一般の薬局で販売されているOTCドラッグも含まれる。2015年版のドーピング防止ガイドブックによると薬剤師が不要な一般医薬品でドーピングの危険性があるものは
- 解熱鎮痛薬
- 総合感冒薬
- 鎮咳・去淡薬
- 胃腸薬
- 消化薬
- 便秘治療薬
- 整腸剤・下痢止め
- アレルギー用薬(鼻炎内服薬を含む)
- 点鼻薬
- 吐き気・乗り物酔い予防薬
- 催眠・鎮静薬
- 鉄欠乏性貧血用薬
- 痔疾用薬
- 女性用薬(膣カンジダ関連薬)
- 目薬
- うがい薬・口腔内殺菌薬。口内炎用薬
- 皮膚外用薬
がリストアップされており、薬剤師扶養で一般に市販されているほとんどのものを含んでいる。一方、処方箋により薬剤師からの購入が必要な医療用医薬品については、さらに広範囲に渡り、
- 解熱・鎮痛。抗炎症薬
- 中枢性筋弛緩薬
- 酵素製剤(消炎・繊維素溶解)
- 鎮咳・去痰薬
- 気管支拡張・喘息治療薬
- アレルギー治療薬
- 抗めまい薬(乗り物酔い予防)
- 胃腸薬
- 総合消化酵素
- 便秘治療薬
- 下痢・整腸薬
- 頻尿・過活動膀胱治療薬
- 肝疾患治療薬
- 高脂血症用薬
- 血圧降下薬
- 抗狭心薬
- 催眠・鎮静・抗不安薬
- 抗精神病薬(悪心・嘔吐)
- 抗うつ薬
- 抗てんかん薬
- 自律神経系作用薬
- 鉄欠乏性貧血薬
- 痛風・高尿酸血症治療薬
- 糖尿病用薬
- 抗菌薬・抗生物質
- 化学療法薬
- 抗真菌薬
- 抗ウイルス薬
- ワクチン(保険適用外)
- 甲状腺疾患治療薬
- 経口避妊約(保険適用外)
- 卵胞、黄体、混合ホルモン
- 痔疾用薬
- 耳鼻咽喉科用薬
- 眼科用薬
- 口腔用薬
- 皮膚外科薬
- 消毒薬
である。このように日本薬剤協会は、処方箋の有無や、薬剤師の販売に関わらず、大部分の医薬品がドーピングに該当する可能性があるとしている。
2.日本における薬剤師協会の最初のドーピング活動
ドーピングはアメリカからそのまま流入した言葉であり、いまだに薬物乱用以外に適正な日本語が存在しないのが実態である。日本で薬剤師協会がはじめて大きな動きを見せたのは2003年に静岡県で開催されたNEWわかふじ国体でのドーピング検査であり、この時に合わせてアンチドーピングガイドブックが作成された。翌年、日本薬剤師協会は出版物だけでなく、アンチドーピングに関する特別委員会を設置し、組織的な活動を開始しており、本格的な活動を始めてからまだ10年ほどしかたっておらず歴史は浅いといえる。
3.日本薬剤師協会による2015年禁止表
2015年の禁止表では日本薬剤師協会は大きな変更を行っていないが、来るべき東京オリンピックを迎えるにあたって、大幅な改定がなされるものと思われる。今回の開廷では、
S2ペプチドホルモンや成長因子関連物質および模倣物質において、キセノンやアルゴンのようなHIF活性因子が特定された。
しかし同上関連で、血小板由来血漿剤は禁止対象とはしない。
とされている。
ただし、禁止物質であっても治療目的であれば、所定の手続きによって使用が認めれられており、なんらかの疾病を持つ選手の活動の妨げにならないよう配慮がなされている。これらの手続きは、日本アンチドーピング機構(JADA)が受け付けているので、必要な方は問い合わせてみると良いだろう。
<参考>日本薬剤師協会
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