2014年に大きく変わった薬剤師の国家試験
これまで薬剤師の国家試験は、まじめに過去の出題を丸暗記していれば、それなりに合格できるものでしたが、薬剤師が6年制となった2014年の国家試験では、大きく傾向が変わり、非常に難易度の高い内容となっています。薬学部の卒業は約2万5千人いたものの、国家試験の合格率は60.84%に急落し、これは毎年80%が取得できていた薬剤師免許が半数近くにまで落ち込んだことを示しています。つまり、それなりに勉強していたのでは、薬学部を卒業したものの、一生薬剤師にはなれないという厳しい現実です。
1.薬剤師国家試験の合格基準
ここで改めて合格基準を整理しておきましょう。
- ・総合得点:65%以上(225点/345点満点)
- ・必須問題:総得点の70%以上、かつ各領域50%以上
- ・一般問題:各領域の35%以上
2.いったい何が難しくなったのか
今回の国家試験の特徴は、物理と化学の難易度が上がったことにあります。暗記主体の生物を異なるため、直前での追い込みが厳しい科目です。
特に物理では「理論問題」と「実践問題」が難しくなっており、計算問題とグラブの比率が増加しています。実践問題では、実務に伴う物理現象について原因と理由を問う問題が目立ち、根本的に理解しているかどうかが試されています。ここでは、実務での注射剤や薬物動態学の観点から「反応速度」「酸・塩基」「熱力学」の理論を早めに理解しておくことが必要です。
化学も「理論問題」「実践問題」ともに難易度が高くなった点は同じですが、「理論問題」については物理同様、知識として頭に記憶しているだけでは対処できない内容になっています。読解力、判断力、問題解釈、解決能力が問われており、反応を理屈として理解した上で、判断しなければならない問題が増えました。また有機化学では化学構造を書く問題は無くなり、構造は問題に記載されていて、その構造から判断する形式となっています。特に、「芳香族、アルケン、ハロゲン化アルキル」「命名法、骨格、立体構造」「漢方処方(効能と効果、副作用)」は早めに学習しておくべきです。
一方、生物については、今回は大きな変化は見られませんでしたが、物理や化学同様、考えなければ答えられない出題に変わっていくものと思われます。
3.国家試験に一発合格し、晴れて薬剤師になるために
薬剤師になるためには国家試験に合格することが必須であることは言うまでもありませんが、今回の国家試験で約4割が薬剤師になれないという結果になりました。薬剤師になれないのであれば、なんのために薬学部に進学したのか意味の無いものとなってしまいます。これまでの先輩薬剤師から聞いた国家試験対策ではなく、「2015年は違う」という意識を持って、国家試験にのぞみましょう。
まず、過去問を頭に入れることに変わりはありませんが、なぜそうなるのか、理屈と原因を考えるクセをつけるべきです。教科書にはすべて書いてありますから、その理論の部分を理解することです。薬剤師も理工系並の思考力が要求される時代になったと意識すべきでしょう。
<参考>日本薬剤師協会
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